食と健康の基礎知識

「健康」とは身体的.精神的.社会的に良好な状態

「健康とは何か?」

あらためて考えてみると、なかなか具体的な言葉にしにくいものかもしれません。WHO(世界保健機関)では、1946年に「健康とは単に病気でない、虚弱でないというのみならず、身体的、精神的そして社会的に完全に良好な状態を指す」と定義しています。

「身体的だけでなく、精神的、社会的に完全に良好な状態」ということなので、健康を増進するためのアプローチは、その時代の社会環境や価値観、個人の生活スタイルなどによっても内容は異なってきます。

例えば「健康」は、積み木だとイメージしてみましょう。「食事」「睡眠」「休養」「ストレス」など、様々な積み木を丁寧に毎日積み重ねていくことでバランスがうまくとれています。けれども、どれか一つの積み木がちょっとずれているのを見過ごすと、少しずつバランスが崩れ始めます。早めにどこがズレているのかに気づいて治せばよいのですが、放っておいてドンドン歪んだまま積んで行くと、やがてバラバラと崩れてしまうことに...。

いくら完璧に栄養バランスのとれた食事をしていても、運動量が足りなければ肥満になることもあり、また睡眠不足から抵抗力が落ちて病気が長引くこともあります。「これさえ食べれば健康でいられる」という魔法のような食べ物はこの世にはありません。現代人は忙しいのでつい手っ取り早い対処療法を求めがちですが、肥満や生活習慣病など、健康に問題を感じたら、食生活も含めて生活習慣全体などを見直し、改善することが大切です。

体は食べ物で作られている

とはいえ、人間は何か食べたり飲んだりしなければ生きていくことはできません。栄養とは「健康を増進させ、栄えさせる」という意味があり、1日数回食事で食べたものの栄養素や成分が取り込まれることで、生命活動を支え、体をつくったりします。

さらに物理的に栄養補給をするだけでなく、おいしいものを食べた満足感や、家族で食卓を囲める充足感等も得られ、精神的な「健康」を支える意味もあり、食事は、「健康」に大きく影響します。1日くらい食事を抜いたり、栄養バランスが偏っていても、人の体はすぐに具体が悪くはなりませんが、日々の積み重ねが大切なのです。

例えば、食事を抜くような無理なダイエットを続けていると、栄養不足から貧血や冷えなどの体調不良になったり、若くても骨粗鬆症になるなど、様々な健康障害を引き起こします。もちろんダイエットだけでなく、肥満や疲れやすい、便秘しやすいなどの病気とまではいえないような体調不良も食生活の乱れとつながっていることがあります。健康維持.増進するために、日々の食事をコントロールすることはたいへん有効なアプローチです。

 
yȂyVsIz yb̏iȂłIz yfuOz y^T[o[z
yAT-LINK pT[oET[rXz yfBbN30ԖLbVOz y15̉pbz